今回はビタミン、ミネラルについてお伝えしていきます。
ビタミン、ミネラルについて尋ねると、
「大切であることはわかるけど、たくさんあって理解しづらい。」
「普段どのようなビタミン、ミネラルが必要であり、不足しているのかわからない。」
という話を来院された方々からお聞きします。
そのため今回はどのような時にどんなビタミンを摂れば良いのか
まとめてみましたので参考にしていただけたらと思います。
まずはビタミンからお伝えしていきます。
ビタミンについて
特徴
・人体が代謝をスムーズに行うために、微量ながらも必要。
・多くは体で合成できないため、食事で摂取する必要がある。
・必須ビタミンは13(〜16)種類で、それぞれが助け合って体の機能を調整しているため、
全てが取れていないと正常には働かない。
- 水に溶けやすい水溶性ビタミンは、体内に蓄えることができないため、食事の度に摂取する必要がある。
- 油に溶けやすい脂溶性ビタミンは、油と一緒に摂取できると吸収されやすい。摂りすぎると過剰症になるものがあるので注意。
以上から食事で適切に補っていく必要があるということが理解できたと思います。
これを踏まえ、各ビタミンの働きをお伝えしながら、
体の状態に合わせて摂るべきかお伝えしていきます。
ビタミンの種類と食材
水溶性ビタミン |
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ビタミンの種類 |
多く含む食材例 |
ビタミンB1 |
緑黄色野菜、豆、玄米、 脳や神経系の働きの調整、エネルギー代謝に関与します。 |
ビタミンB2 |
緑黄色野菜、卵黄 脂質の代謝、肝臓の働きをサポートすることに関わります。 |
ナイアシン |
海藻類、魚介類、種実類 血管拡張、傷ついたDNAの修復に関わります。 |
ビタミンB6 |
豆、魚、卵 タンパク質の代謝及びB1同様に神経にも関与するため |
葉酸 |
果物、葉もの野菜、豆 貧血の予防に関与するため、 |
ビタミンB12 |
卵、魚、チーズ 赤血球の生成、B6と共にタンパク質の代謝に関与しています。 |
ビオチン |
卵黄 筋肉痛を和らげるので、筋の損傷がある場合は摂りましょう。 |
パントテン酸 |
豆、卵黄 傷の治りや中枢神経の発達を助けます。 |
ビタミンC |
緑黄色野菜、果物 抗酸化作用、コラーゲンの生成を促進します。 |
脂溶性ビタミン |
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ビタミンの種類 |
多く含む食材例 |
ビタミンA |
緑黄色野菜、卵 成長、上皮細胞の正常化、視覚や視力に関係しています。不足してしまうと細菌への抵抗力が低下してしまいます。そのため体調を崩している時や目の疲れを感じる時には摂りましょう。 |
ビタミンD |
魚、きくらげ、しいたけ 骨や歯の成長に関与しています。また皮膚からも紫外線を浴びることで生成されます。他のビタミンと違い体内でホルモンとしても作用します。 骨の損傷や骨粗鬆症がある人は摂りましょう |
ビタミンE |
緑黄色野菜、豆、穀物 細胞の柔軟化、筋肉の緊張を和らげる、抗酸化作用があります。 |
ビタミンK |
緑黄色野菜、納豆 血液の凝固を助ける、骨の形成を促す、動脈硬化予防の働きがあります。そのため、骨のためにはビタミンDとともに摂りましょう。 |
続いてミネラルについてお伝えします。
ミネラルについて
特徴
・人体を構成する元素のうち、
酸素(O)・炭素(C)・水素(H)・窒素(N)の主要元素を取り除く、残りの元素の総称。
・人体は97%が主要元素(O・C・H・N)、残りの3%がミネラルで作られています。
*糖質・タンパク質・脂質も主要元素で構成されている。
ミネラルの主な働き
①骨格や歯の材料となる
②身体の発育や代謝に関係して働く
③様々な生理機能をコントロールする
・ビタミンと同様に体で作れないため、食事で摂取する必要があります。
・必須ミネラル16(〜60)種類で、それぞれが助け合っているため、
バランス良く摂ることが最重要となります。
・特定のミネラルだけ不足でも過剰でも身体に影響が出るので注意が必要です。
・抗酸化物質はミネラルがあることで、
本来の抗酸化作用(老化防止・若返り)が起こります。
ミネラルの種類と食材
微量ミネラル |
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ミネラルの種類 |
多く含む食材例 |
鉄(Fe) |
小松菜、鰹 |
亜鉛(Zn) |
玄米、納豆 |
銅(Cu) |
レバー、そら豆 |
ヨウ素(I) |
わかめ、ひじき |
セレン(Se) |
マグロ、たらこ |
マンガン(Mn) |
栗、くるみ |
モデブリン(Mo) |
納豆、あずき |
クロム(Cr) |
昆布、鯖 |
主要ミネラル |
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ミネラルの種類 |
多く含む食材例 |
カルシウム(Ca ) |
小松菜、豆腐 |
リン(P) |
ししゃも、するめ |
カリウム(K) |
里芋、バナナ |
ナトリウム(Na) |
塩ざけ |
マグネシウム(Mg) |
そば、 |
・不足しがちなミネラル…マグネシウム、カルシウム、カリウム、亜鉛、鉄
・過剰しがちなミネラル…ナトリウム(人工塩)、リン(食品添加物に多い)
・不足しがちなミネラルから生じる身体の不調
マグネシウム…不整脈、筋肉の痙攣、高血圧、心疾患など
カルシウム…骨粗鬆症、神経や筋肉の興奮から筋肉の痙攣、てんかん(全身の痙攣)など
カリウム…脱力感、食欲不振、高血圧など
亜鉛…味覚障害、貧血、神経感覚障害、免疫力低下など
鉄…貧血、疲れやすいなど
夜間、脚がつる、最近疲れが取れないなどの症状は、もしかしたらミネラル不足から生じているかもしれません。
しかし、現代は昔と比べ、多くの食材が手に入りやすくなっています。
それにも関わらず、なぜこんなにも栄養素が不足してしまうのでしょうか。
ビタミン・ミネラルが不足してしまう現代の食事情
①加工食品などの偏った食事
ビタミン・ミネラルは熱に弱いものが多く、高温での長時間調理では機能が損なわれる。
野菜ジュースなどは、ほとんど体内利用できるビタミン・ミネラルは入っていません…
②土壌や農薬など栽培の問題
野菜や果物に含まれるビタミン・ミネラルは、戦後の約1/10程度に減っている。
③心理的・肉体的ストレスと食品添加物などの人工的な食品
ストレスや人工的な食品を処理するために、大量のビタミン・ミネラルを消費しています。
このように食べ物は溢れていても、
食べているものが加工食品などに偏ってしまうとビタミンやミネラルは不足してしまいます。
皆さんも普段口にするものには気をつけて、食生活を送ってみてください。
普段の食事の参考になれば幸いです。
読んで頂きありがとうございました。